第21話 GET(その5)
2 「物を所有する、所有するに至る」
「…を所有する」という意味で get を使う場合、所有するために(ほんの少し)努力が必要だというニュアンスがあります。have
の場合と比べてみましょう。
・I have the money.
・I have a new CD.
・I've got the money.(そのお金を手に入れた)
・I got a new CD.(新しいCDを買った)
have は単にその物を所有している状態を表していて、所有するに至る努力については言っていません。get を使うと、所有するために行った努力を表現できます。
・They got what they came here for.(彼らはここに来た目的のものを手に入れた)
get の使い方がよく表れている文ですね。
・I went into the kitchen and got
the beer from the freezer.(私は台所に入り、冷蔵庫からビールを取り出した)
・She picked up her purse and got
out her cellular phone.(彼女は財布を持ち上げ、携帯電話を取り出した)
・She got a tissue out of one of her
drawers and dabbed at her eyes.(彼女はティッシュを引き出しから取り出し、目を軽くパタパタとたたいた)
英語は「だれが何を」ということを明確にしたがる言語なので、S+V+O+Oという構成もよく使われます。主語(S)+
get + 人(O)
+ モノ(O)が基本形です。
・I'll get you a new book.(きみに新しい本を買ってあげよう)
この場合、a new book をきみにあげるためには、本を購入する必要があります。この努力(購入する行為)のイメージが伴うので、日本語では「買ってあげよう」となります。
・I'll give you a new book.(きみに新しい本をあげよう)
この文との違いがわかりますか。give の場合には、「その本をすでに自分が持っている」ことを意味しているので、get するための行為・努力は必要ないのです。
・I'll get you a drink.(飲み物を取ってくるね)
バーでの会話ならば、カウンターまで行って買ってくることですね。
・Could you get me the file? (そのファイルをとってくれる?)
会議などで、手の届かないところにあるファイルを持ってきてもらう時に使います。