第18話 GET(その2)
機能2「物を所有する、所有するに至る」
I got a new CD.(新しいCDを買った)
I got the money.(そのお金を手に入れた)
「AがBに達する」が get の基本形です。とすると、「手に入れる」とはどう結びつくのでしょうか。
I got a new CD. はA(私)がB(CD)に達した、というイメージです。この場合、私がお店に行って、そのCDを手にとって、レジに行ってお金を払ったのです。
I got the money. はA(私)がB(お金)に達することです。具体的には、働いた結果そのお金を手にしたのです。
なお、get はほかの動詞と置き換えられる場合、get のほうが少し努力が必要だったり、ほんの少し困難が伴うイメージになります。I
got a new CD. と、I bought a new CD. では、get のほうがやや苦労してCDを手に入れたというイメージになります。このことも頭に入れておくと、get
の動きのイメージがとらえやすくなります。
get は、どのように手に入れたのか具体的な動作は表しません。話の前後からわかる具体的な動作を総合的に get で代用するのです。だから、get
の使用範囲は広いのです。
ちなみに、have は持っている状態を表します。have の状態を作り出す動作が get なのです。
「頭で理解する」という意味で使う get も機能2に含めます。
I got you.(わかったよ)
I got you.は会話の中でよく出てくる表現ですね。I understand what you mean. I understand
you. をくだけた表現で言ったのが I got you. です。この表現を「AがBに達する」の基本形に照らし合わせると、「私はあなた(の考え)に達した」となります。つまり「あなたが言おうとしている内容に私の理解が達した」ということです。
もちろん、「私はあなたの言った意味を手に入れた」というふうに考えてもよいでしょう。
You got it wrong.(きみはそれを勘違いした)
この get も「頭で理解する」ことです。「間違えて理解した」のです。
機能3「ある状態になる」、「〜させる、〜される」
3-1「ある状態になる」
(1)I was sick.
I got sick.
(2)I have a cold.
I've got a cold.
(3)She was angry.
I got her angry.
(1)〜(3)について、上と下の文の違いがわかりますか? 上の文は「状態」を表しますが、get はその状態にさせた、その状態になったという「動き」を表しています。
We were getting very hungry.(おなかが空いてきた)
だんだんとお腹が空いてきていることが感じられる表現ですね。
ここでは、get は become と同じ意味で使われます。ただし、become のほうが堅苦しい表現なので、会話では get
をよく使います。
We got very hungry. =We became very hungry.
3-2「使役」(〜させる、〜される)
I got my first book published.(私は最初の本を出版しました)
first book の状態を published にしたという構文です。
She tried to get him to explain.(彼女は彼に説明をさせようとした)
him(彼)に explain(説明)させようとしたのです。