「C」に注目

Cの部分にはいろいろなものが使えます。便宜上、次の4つに分類しますが、これは日本の文法書や辞書などが使っているもので、あくまでも目安です。ネイティブスピーカーはこのような分類をしているわけではありません。

(1)具体的な物
(2)抽象的な物(効果など)
(3)情報
(4)身振り・動作


「A」+give+「C」 to 「B」という語順は(2)と(4)では使わないことに注意が必要です。

(1)具体的な物
・Rick gave me this watch.(リックが私にこの時計をくれた)
 「A」+give+「C」 to 「B」の語順が可能です。
・Rick gave this watch to me. ○

(2)抽象的なもの(効果など)
・I wanted to give you a surprise.(きみを驚かせたかった)
 この文から動作をイメージしてください。「相手が予想していないことを私がして、あなたを驚かせる」イメージです。この文の前後から、どんなことをしたかがわかるようになっているはずです。ラブストーリーなら、素敵な贈り物をしたのでしょう。

 「A」+give+「C」 to 「B」の語順は使えません。
・I wanted to give a surprise to you.  ×
・His work always gives me a headache.(彼の仕事は私に頭痛を起こさせる)
 これはどんなイメージがわきましたか? 「やっておいて」と頼んだ仕事ができていなかった場面を私はイメージしました。

(3)情報
 ここでいう情報とは、アドバイスや注意、命令などのことです。
 「C」が情報のとき、give の日本語訳は「伝える、言う、教える」などといろいろ変化します。
・Would you give me your name?(あなたの名前を教えてください)
 どんな場面をイメージしましたか? 私は、ホテルのフロントでチェックインするときの場面をイメージしました。

 情報に関しては「A」+give+「C」 to 「B」の語順が可能です。この違いにより、(2)の「抽象的なもの」と区別されます。
・His secretary gave the message to him. ○
 場面がイメージできましたか? 秘書は、紙に書いたメモを渡したか、または口頭で伝えたのですね。

(4)身振り・動作
・He gave me a push.(彼は私を押した)
 この give の動作のイメージは、彼が私の身体を手で押した様子です。He pushed me. とほぼ同じ意味ですが、give を使ったほうが、手で押している状況がより鮮明にイメージされます。

・She gave me a wink.(彼女は私にウインクをした)
 この give はイメージしやすいですね。ペーパーバックなどにこの文章が出てきたら、場面を好きなように想像して楽しんでください。私は、美女が左目でウインクしたシーンを勝手にイメージしました。

 「A」+give+「C」 to 「B」の語順は使えません。
・He gave a push to me. ×
・She gave a wink to me.  ×

 「C」が動作を表す名詞の場合、give を使わないで名詞を動詞にした場合とほとんど同じ意味になります。ただし、give を使ったほうが「C」を「与える・伝える」というイメージが強くなります。
・She gave me a smile. (She smiled to me. )
・She gave me a wink. (She winked at me. )

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