ネイティブスピーカーがイメージする give の意味と機能は、基本的に次の1つだけです。
「Aさん」+ give +「Bさん」+「C」(AさんがBさんにCを与える)
give は必ずこの構文パターンをとります。これだけをしっかり理解すれば、give をマスターしたと言えるでしょう。あとは応用するだけです。今回は
give の基本イメージをマスターしてください。
giveは万能な動詞
英和辞書で give を引くと、たくさんの意味と例文が出てきます。だからといって、「一つひとつ意味を覚えて使えるようにしよう」という学習をしていませんか。それでは効率が悪いばかりではなく、いつまでたってもネイティブスピーカーと同じ語感で
give を使いこなせるようにはなりません。
それなら、どうして英和辞書にはたくさんの訳が列挙されているのでしょうか。それは、give が多くの場面で使える万能な動詞であるのに対し、日本語の動詞は細分化されており、場面ごとにふさわしい言葉が存在するためです。
例えば Please give me the salt. を直訳すると「私にその塩を与えてください」となります。しかし、自然な日本語に訳すなら、「取ってください」となります。「取る」は日本語では「与える」の逆の意味ですが、この場合は「取る」がふさわしいのです。基本動詞を学ぶとき、直訳はほとんど意味がないことがわかるでしょう。
give のイメージを視覚的に把握すれば、日本語を介さず、英語を英語のまま理解できるようになります。イメージをつかむための訓練方法を見てみましょう。
Please give me the salt. という英文を見たら、まず「Aさん」+give+「Bさん」+「C」の関係をイメージしてください。食事の場面です。Aさんは私の隣かテーブルの向こう側の人です。私の位置よりも、置いてある塩の容器の近くにいます。Bさんは私、Cは塩です。この
give がイメージしている動作は、Aさんが塩の容器をつかんで私のほうに移動させることです。
日本語に訳すときは、この動作のイメージに近い日本語にすればよいのです。この場面が想像できたら「取ってください」という日本語が出てきますね。give=「与える、あげる」と反射的に考えるのではなく、動作をイメージすることが先です。
次回は、実際の英文で give がどのように活用されているかを詳しく解説していきます。
※ Please give me the salt. は口語表現で、正式には Please pass me the salt. と言います。
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