第10話 TAKE(その1)
●まずはtakeの機能を理解しよう
take の語源は、ゲルマン語系の古代英語(OE)の tacan という語で、「握る、つかむ」という意味でした。つまり
take という言葉に対してネイティブ・スピーカーが持っている基本イメージは「握る、つかむ」だということがわかります。
take の最大の特徴は、「つかんで運ぶ」という単純な機能だけを持っていることです。have のように、完了形を作る助動詞になったり、使役動詞になることはありません。単純な機能しかないのでわかりやすいと思います。
英和辞典で take を引くとたくさんの意味が載っていますが、それらを一つひとつ覚えていく必要はありません。ネイティブ・スピーカーは、take
の「つかんで運ぶ」という機能だけを理解して、使いこなしています。take を使いこなすためには、その意味よりも機能を理解して身につけることが重要です。
takeの基本用法
例文を挙げながら、用法を解説していきます。3つの基本用法がありますが、根となる機能は1つ、「つかんで運ぶ」です。
(1)持っていく、連れていく
take +「物」、または take +「人・動物」の文型です。
次の文は、take の典型的な使用例です。
・Don't forget to take your umbrella with you.(傘を忘れずに持っていきなさい)
「つかんで運ぶ」のイメージそのものです。「つかんで運ぶ」というと、手でつかむというイメージがありますが、バッグなどで運んでもかまいません。
・She takes her dog to the park.(犬を公園に連れていく)
これは犬を「公園へ、つかんで運ぶ」というイメージです。犬を手で直接つかむわけではないので、ひもでつないで連れていくということです。Take
the A train.(A列車で行こう)
この場合も「つかんで運ぶ」イメージです。いくつかある列車のなかからA列車をつかんだ(選んだ)とも考えられますが、人間よりも大きなものの場合、列車があなたをつかんで運ぶ(連れていく)という考え方ができます。
・This train will take you to your mother's home town.(この列車はあなたをお母さんの故郷に連れていきます)