have の語源はOE(Old English)です。OEとはゲルマン語系の古代英語のことです。ゲルマン語とは、イギリスを侵略したバイキングが使っていた言語です。
英語のなかで、ゲルマン語系の単語が占める割合はラテン語系の単語に比べて小さいのですが、英語がゲルマン語系に分類されるのは、英語の文章を成り立たせている基本動詞の多くがゲルマン語系だからです。語源がゲルマン語系の動詞は、不規則変化をするという、やっかいな性質ももっています。
have もゲルマン語系の単語なので、have を使いこなすためには、その意味よりも機能を理解して身につけることが重要です。have の最大の特徴は、1 所有・付属(持つ)を表す機能、2 使役(…させる)の機能、3 完了形を作る助動詞の機能、があることです。
今回は、1の所有・付属の機能をマスターしましょう。これは、Do you have a pen? のように、「持っている」という意味を表す動詞で、have
のもっとも一般的な機能といえるでしょう。
英和辞書で have を引くと、訳がいくつにも分類されていて迷ってしまうと思いますが、A has B. の目的語Bの種類によって、所有・付属の用法を次の3つに分類できます。
AがBという具体的な物を持っている状態を表す場合
have は所有している「状態」を表します。
・I have a car.(車を持っている)
・I have a dog.(犬を飼っている)
・I have a sister.(姉/妹がいる)
Bが抽象的な概念、感情である場合
日本語の「持つ」とは性質が異なるので、うまく使うには慣れが必要です。
・The old man had a bad memory.(その老人は記憶がよくない)[能力、性質]
・Do you have any questions?(何か質問はありますか)[考え]
・The man had a great shock.(その男は大きなショックを受けた)[感情]
・We had a wonderful time.(私たちはとても楽しく過ごした)[経験]
・I had a headache last night.(昨晩、頭痛がした)[病気にかかる]
AがBを所有するという行為を表す場合
次のような場合、have は「所有するという行為」を表現します。やはり使いこなすには慣れが必要です。
・I'll have a holiday.(休暇を取るつもりだ)
・Have a seat.(座ってください)
・May I have this?(これをくれませんか)
・I had breakfast at eight.(8時に朝食を食べた)
・He has a bath.(彼はお風呂に入る)
第3回では、2 使役(…させる)の機能、3 完了形を作る助動詞の機能を解説します。
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