第6話 MAKE(その1)




makeの機能

 make の使い方をマスターするには、辞書に載っている「作る」などの意味を理解するだけでなく、その機能を理解することが近道です。

 make の典型的な機能は次の文章によく表れています。
 Oh God! If you cannot make me thin, make my friends fat!(神様、もしも私をスリムにできないなら、友だちみんなを太らせてください)

 この文章の make の機能は、You(=God)make me thin.(主語+make+目的語+補語)、つまり目的語の me を thin(やせた状態)にすることです。

 make を「作る」と覚えると、make の機能がわかりにくくなります。make のもともとの意味は、「何らかの材料からある物を作り上げる」ことです。
 make の最大の特徴は「無の状態から何かを作り出す、材料から完成品を作る、ある性質のものを別の性質に変える」ことを表す機能を持っていることです。このイメージを把握してください。
 You make me thin. の場合、今の私は thin の状態ではありません。たぶん fat なのでしょう。体型を fat の状態から thin の状態に変えるので、make を使います。この場合、have や get は使えません。

 次の例でこのことをみてみましょう。3つの文の違いがわかりますか。
 I have a reservation.(予約があるという状態を保っている)
 I've got a reservation.(私か、またはだれかが、予約をした。その予約の権利を私が手に入れた)
 I made a reservation.(予約がない状態から、手続きをして予約がある状態にした)

 have の場合は「予約をしたあとに、その予約の権利を保持していること」を表しています。get の場合は「自分かあるいはだれかが予約をした(状態を変えた)結果、今は私が予約を手にしたこと」を表しています。
 「無」の状態から「有」の状態にする機能を持っているのは make だけなので、「予約のない状態から、予約のある状態を作り出す」場合には make を使います。
 make には、「だれかが努力して、状態を変える」という意味が含まれています。自然にできてしまうことに make は使えません

次回は、make の基本的な用法について解説します。

<< 第5話へ戻る 第7話へ進む>>

基本動詞をマスターしよう トップへ