第4話 HAVE(その3)




 今回は、have の使い方についてよく聞かれる質問についてお答えします。

●have を使うときの注意点

must と have to の使い分けはどうすればいい?
 「…しなければならない」を表すには must と have to が使われますが、きちんと区別して使っていますか?  must は have to よりも強く、「絶対に」という話者の意志を伝えます。
  ・You must send the report to him.(絶対に送らなくてはならない)

 「強く信じていること」を言うときも must を使います。
 ・There must be some mistakes.(何かの間違いに違いない)

 定期的に行うことには、have to を使います。must を使ってはいけません。
 ・You have to send a report every week.

 なお、must は現在形で使います。過去を表すには had to、未来なら will have to を使います。
 「絶対に」を強調する場合には以下のように未来のことにも使います。
We must get up at 7:00 tomorrow.(あすは7時に起きなければならない)

have got と have は使い分けが必要なの?
 映画などでは、I've got ... など、have got を使ったセリフがよく出てきますが、われわれ日本人の多くは、have got がうまく使えません。「問題がある」ということを表すとき、次の3つにどのような違いがあるかわかりますか?

 ・We've got a problem.
 ・We have got a problem.
 ・We have a problem.

 have got と have は、ほぼ同じ意味で使われますが、微妙な違いがあるとされています。
 have got は口語表現で、会話で使われます。We've got と We have got は同じですが、よりフランクな印象のある We've got が好まれます。書き言葉では We have を使い、We've got や We have got は使いません。
 have got はアメリカよりも、イギリス(British English)で多用されます。

 ・Have you got a map of London?(イギリスの店内にて)
 ・Do you have a map of New York City?(アメリカの店内にて)

have は進行形にできる?
 「動詞の have は進行形にしない」と学校で習ったと思います。第2回(haveその1、所有・付属の機能)で、主語に対する目的語の種類によって、have を3つに分類しましたね。このうち、have が「所有するという行為」を表す場合には、進行形にできるのです。

 1 AがBという具体的な物を持っている状態を表す場合→進行形にしない
 2 Bが抽象的な概念、感情である場合→進行形にしない
 3 AがBを所有するという行為を表す場合→進行形にできる

 1と2は「所有している状態が続いている」ので、進行形にする必要がありません。
 ・She is having beautiful blue eyes. ×
 ・She has beautiful blue eyes. ○

 3は、「行為が現在行われているとき」には、進行形にできます。
 ・He is having a bath now.(彼はいま、お風呂に入っている)
 ・She is having breakfast.(彼女はいま、朝食をとっています)

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